ポルシェのハイパーカーは2025年以降にならないと発売されないという事がポルシェCEOのインタビューにより語られたとのことです。
ハイパーカーとはそのメーカーの技術ショールームとなる最高峰の車ですが、ポルシェのハイパーカーの祖と言えばなんと言っても959。
959はラリーのグループBを制覇すべく開発された車で1986年に発売されました。
画期的だったトルクスプリット4WDを搭載し、911とは全然違うレースカー962Cのエンジンをベースにしたヘッド水冷水平対向DOHC4バルブ6気筒エンジンを搭載。
当時の世界最速を競った1台です。
次に現れたのは911GT1。
1990年代なかば、ルマン24時間レースにおいて彗星のように現れたマクラーレンF1に対して当時のポルシェレースカー911(993)GT2は全く歯が立たず、勝てるマシンとして911 GT1は開発されました。
当初の96年式はレギュレーションにより993の前半部シャーシを使い、後半を魔改造してミッドシップ化、水冷エンジン、ダブルウィッシュボーンサスなどを組み込みました。
結果的にルマンでは総合2、3位で終わります。
僕は993に乗っていたこともあり、この993顔の96モデル911GT1が一番スキです。
その翌年、993のシャーシに見切りを付け、996ボディにスイッチ。その他モディファイを行った97モデルGT1。
(上記写真です)
しかし、この年のルマンはリタイヤにより全車敗退。
心機一転、98モデルとなったGT1はカーボンモノコックを手に入れ、目標だったルマン制覇を成し遂げることができました。
でもストリート仕様が発売されたのは96、97モデルのみで98モデルのストリート仕様はないんですよね〜。
なのでハイパーカーとしては97モデルの911GT1がラスト。
続けて出たのがカレラGT。
こちらも元々はルマン参戦用に開発がスタート。
開発も進んでいましたがレギュレーションの変更があり、参戦の場はなくなってしまいます。
そこで路線変更があり、ラグジュアリーな要素を盛り込んだハイパーカーとして世に出ることになりました。
エンジンは自然吸気5.7リッターV10エンジン。
シャーシはカーボンモノコック。
特徴的なカーボン製のエンジンカプセルや、いかにもレースカーチックな前後プッシュロッド式ダブルウィッシュボーンサス、カーボンコンポジットブレーキ、左右で色を変えたセンターロックホイールなどなど、見どころ満載のメカを採用しつつ、ウッドのシフトノブなど内装は高級感にも配慮していました。
当時、すでにハイパーカーは2ペダル化の方向が明確になりつつあったのに激重のクラッチ(水冷ハウジング付小径カーボンマルチクラッチ。これもすごいメカですが)や、今ひとつ評価の良くないハンドリングなど、ポルシェの迷いも感じられた車です。
次に登場するのは現在のところ最新、最終のポルシェ製ハイパーカーとなる918スパイダー。
カレラGTが1500台販売予定だったはずが1270台しか売れず、カレラGTの残った部品の有効活用を図りつつ、今どきのハイパーカーに求められる楽ちん、省エネ、カッコいいを満足させるために企画された車です。
エンジンはレースカーのRSスパイダー用V8+7速PDKをベースにPHEV機構を組み合わせ、フロント2個、リア1個のモーターも積んでおり、モーターのみによる無音走行も可能にするなど、とにかく一気に進化。
レースカーとして918RSRなども発表されましたが、918は残念ながらこれと言った戦績は残していませんね。
と、歴代のポルシェハイパーカーを振り返りましたが、じゃあ次のハイパーカーはどうなるのか。
もっぱらEVになるというお話で、これは間違いなさそう。
ただ、ポルシェの納得するような重量とエネルギー量を兼ね備えたバッテリーはこの世になく、期待される全固体電池もどうやら空想話で終わりそうだし、ポルシェとしても決めあぐねている様子です。
あるいは先日コンピューターシミュレーションが公表された水素燃料を使ったV8エンジンで発売されるかもしれません。
いずれにせよ、ポルシェ最高の技術が詰め込まれた車種となりそうですので、注目ですね。
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