イギリスにあるACカーズによるコブラが復活です。
フォード製スーパーチャージド5.0リッターV8エンジン654馬力のエンジンを搭載し、アルミスペースフレーム、カーボン外装により構築されているようです。
ACカーズは1901年にウィラー兄弟によって設立されました。
最初の市販車は社名の由来になっている3輪の商用車(Auto-Carrier)で、4輪車の市販は1913年になってから。
2人乗りのスポーティなタイプでしたが、第1次世界大戦ですぐに生産中止になりました。
1920年頃からレース活動を開始し、それなりに好成績を収めましたが売上は低迷してしまいます。
1929年にACカーズは一旦精算されています。
その後、事業を買い取ったハーロック家のもとで自動車生産を再開。
第2次世界大戦などもはさみながら細々と自動車生産を続けます。
そして1953年にコブラのもととなったオリジナル直6エンジンを積んだACエースが開発されます。
ACエースはクーペボディや排気量アップなど追加されながら、レースにも参戦していました。
その頃アメリカでレースを続けていたキャロル・シェルビーがACエースに目をつけ、これにフォードV8エンジンを組み合わせた車を提案してきました。
こうしてついにACコブラが誕生しました。
最初のACコブラは1962年に生産を開始、初期モデル(Mk.I)は4.3リッターV8エンジンを積んでデビューします。
そしてすぐにフロント周りの設計が見直され、エンジンも4.7リッターV8を積んだ(Mk.II)へと進化。
その後、より大きなエンジンを搭載する開発が進み、1965年、アルミフレームから見直された7.0リッターV8、コイルサス、ワイドボディのMk.III、ACコブラ427が発売されます。
中でも競技ベース車にフロントガラスを取り付けただけのようなセミコンペティション(S/C)は最も価値の高いコブラとされています。
しかし、このACコブラは商業的に失敗し、1967年に生産が終了。
イギリスではACカーズがナロー仕様の289コブラの生産を続けましたが、それも1969年で終了。
1970年代はグランドツアラー的な車作りに変化したACカーズでしたが、1980年代の半ば、ACカーズはふたたび解散することになりました。
その後もACの名前は様々な会社に属しながら、複雑怪奇な経緯をたどり、今に至ります。
(正直、今のACカーズの状況もよくわかりません)
ただ、今回のコブラはオリジナル同様フォードのV8エンジンを搭載し、フォードのトランスミッションを積んだ正規車両ということになりそうです。
でも重要なピースの一つであるキャロル・シェルビーとの関係はなさそうで、そこがちょっと弱いかな。
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