911 沿革
7代目の愛車はポルシェ・993型911カレラ2です。
インプレッサで最後までブレーキのフィーリングに納得出来ず、インプレッサをさらにカスタムするかどうかで悩んだ結果、宇宙一のブレーキと評判のポルシェ911に乗り換えました。
993型はポルシェ空冷エンジンの最終モデル。
今ではプレミアが着いてしまって1500万円とかすると思いますが、当時は走行1万5千キロの極上ディーラー車でもまだなんとか買える金額でした。
最初は水冷の996型を買おうかなと探していました。
当時は996の前期型が600万程度、後期型で800万円ぐらいが相場でした。
ネットで良さそうな個体ポルシェの正規中古ディーラーで見つけたので訪問したのですが、たまたま出物の993を提示してもらえて、契約することになったのでした。
911 スペック
全長 | 4245mm |
全幅 | 1730mm |
全高 | 1300mm |
ホイールベース | 2270mm |
車両重量 | 1370g |
エンジン型式 | M58 |
排気量 | 3600cc |
エンジン種類 | 空冷水平対向6気筒SOHC12バルブ |
最高出力 | 285ps(210kW)/6100rpm |
最大トルク | 34.0kg・m(333.4N・m)/5250rpm |
サスペンション | F:ストラット R:マルチリンク |
ブレーキ | F、R:ベンチレーテッドディスク |
タイヤサイズ | F:205/50ZR17、R:255/40ZR17 |
エンジン搭載位置/駆動輪 | リア/後輪駆動 |
トランスミッション | 6MT |
新車価格 | 9,800,000円 |
愛車カラー | アイリスブルーメタリック |
その他 | HID |
911 外見
いわゆる空冷の911といえば964型を思い浮かべる人が大多数だと思いますが、993GT2の純正でありながらリベット止めされたオーバーフェンダーというワイルドな外見に衝撃を受け、それ以来すっかり993党でした。
予算的に996で911を探していましたが、もとから本当は993が欲しかったので、たまたまこの個体に出会えたのは運が良かったです。
ボディカラーは何でも良かったんですが、この個体のアイリスブルーメタリックは見る角度によって紺色に見えたり、紫っぽく見えたり、微妙な色彩で、993のスマートな外見と絶妙にマッチしていたと思います。
911 内装
空冷時代の911は基本形状が初期の911からほとんど変わっておらず、あとから間欠ワイパーとかフォグランプとか追加されていますので、いろんなところにいろんなスイッチが付いていて、およそ使いやすい内装とは言えませんでした。
これはクラシックカーあるあるだと思います。
ただ、各部の質感は高く、不満は感じない内装でした。
911 インプレッション
初めての外車、初めての左ハンドル車という事で、最運転した時は緊張しましたが、なにしろ運転しやすい車ですぐに慣れる事ができました。
まずシートポジション。
チルトもテレスコも付いていないにも関わらず遠くも近くもないステアリングで、ポジションがばっちり出せます。
今どきの車に比べるとフロントガラスが立ち気味でインパネの奥行きも短く、かつ、964ほどではありませんがヘッドライトに向けてのびるフロントの峰が立っているため異常にフロントの見切りが良好です。
水平ラインがバッチリ通ったインパネも車幅感覚を助けてくれます。
フロントよりもリアのフェンダーが幅広いところが普通の車と大きく違いますので、そこは慣れが必要かもしれませんが、僕はRX-7に乗っていましたので、全く問題ありませんでした。
そしてエンジン。
僕が買ったのはベーシックグレードであるカレラ2の後期型だったので、エンジンは水平対向6気筒3.6リッターの自然吸気エンジンで可変吸気管システムのバリオラムを搭載しており、馬力は285馬力、トルクは34kg・m。このエンジンに最高時速267km/hをカバーするワイドレシオな6MTを組み合わせています。
実際に乗る前はチューンドインプレッサと比べればやはり馬力、トルクは減るし、だいぶ遅く感じるかなーと思っていました。
いざ乗ってみるとレッドゾーン6800回転ぐらいからというトルク型のエンジンで、ホンダのVTECエンジンみたいにビュンビュン回るという事はありません。
でもアクセルレスポンスはよく、どこからでも踏んだら踏んだだけ加速する感じ。
回転フィールも独特で、空冷らしくちょっとラフでアナログな感じが残っており、なんとも生き物的なエンジンでした。
次はブレーキについてです。
このために買い替えたわけですが、期待に削ぐわず買い替えただけの事はありました。宇宙一かどうかは知りませんが、文句の付けようなし。
RRのリア寄り重量バランスがブレーキングに有効に働き、ブレーキングにおいてはボディ全体が均等に沈み込む動きをするのです。その安定感たるやほんとにすごくて、直線を走行中ならばハンドルから手を離していても姿勢は真っ直ぐのまま停止できます。
これは本当にすごい。
インプレッサだと前のめりにオットットとブレーキをかけている感じになりますが、911は後ろからなにかに引っ張られるようなブレーキ。
コーナーに対して車1台分も2台分もブレーキを遅くできるイメージです。
アクセル、ブレーキ、クラッチの3つのペダルが全部床から生えていて最初ビックリしますが、タッチもフィーリングも性能もブレーキに関して完全に僕好みな車でした。
そして最後にシャーシ。
993は空冷の最終モデルとして語られる事が多いですが、実はリアサスが全面刷新されており、LSA(Lightweight(軽量)Stable(安定)Agile(機敏))とポルシェが名付けたリアのマルチリンクサスペンションは現代の911に繋がる新世代ポルシェの第1段という要素も併せ持っているのです。
RRのトラクション性能はそのままにコーナー入口での安定感も併せ持ち、またコーナリング中もしっかり踏ん張ってくれる剛性感がありながら、普段の乗り心地も最高に快適。
ノーマル国産車のサスで満足できた事はなかったのですが、911は文句の付けようがありません。
このシャーシ性能こそがポルシェなのかと感動させられます。
911 まとめ
実際に911に乗ってみて、これはもう何もかもが最高でした。
目から鱗。
正直、インプレッサとか寄り道せずにこれを買っておけばよかったと思いました。
(インプレッサの車両代+改造費でこの車が買える金額だったので)
この車を買った時、すでに993は11年落ちの車でした。
これまでに生産された全ポルシェの6割以上がいまだ路上を走行しているという耐久王(本来の意味の耐久王は違う意味ですが)のポルシェと言えど、さすがに11年落ちともなればへたってんじゃないの?と心配していたんですが、全くの杞憂。
走る、曲がる、止まるがこの上ないレベルでまとまっている僕の理想的なスポーツカーでした。
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