ポルシェの市販レーシングカーである911Cupが1990年の販売開始以来5000台目の製造に至ったとのことです。
911Cupは、市販911をベースにレースに必要なカスタムを施して販売されているサーキット専用車です。
サーキット専用車でありながら、市販車と同じ工場ラインで製造されており、平均8時間でラインオフされるそうな。
それだけベースとなる911がレースレディで作られているため、サーキット専用車だからといって特別な工程を経る必要がないのです。
特に空冷時代の964、993のCupと公道走行可能なRSの差は極微小で、レース中にパーツが足りなくなって駐車場に止めてあったクルーの911から部品を拝借してレースを完走した、なんてエピソードもあるぐらい。
それでいて、例えば鈴鹿サーキットで911Cupは2’02.317のコースレコードを持っていますが、同じ鈴鹿でGT3クラスのAudi R8 LMS GT3が2’04.748のコースレコードでCupの方が上回っています。
SUPER GTのGT300で1’55.531とさすがに7秒違いますが、ライン製造車である911Cupが7秒しか違わないわけで、十分すごいかなと。
こんな車が3000万円ぐらいで販売されており、レースサポートも受けられるということで、結果的に国産車をフルチューンしてレースに参戦するより遥かに低コストでレースを続けられるためレース界で911Cupはかなりのシェアをしめているわけです。
一方、強力なライバルとして挙げられるのがアウディのAudi R8 LMS GT3。
アウディも911Cup同様工場ラインで製造されているレースカーで、コンセプトが全く同じクルマです。
R8はアルミ製軽量ボディを持ち、一般的な(?)ミッドシップの駆動レイアウトにより癖のない操縦性を持っているため911よりも乗りやすいようで、911Cupの市場をかなり侵食していたそうです。
でもアウディは現在EV化に熱心で、市販R8の販売をやめるみたいですし、これからまた一層911Cupは売上を伸ばしていくことでしょう。
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